オワハラとは?内定と引き換えに就活終了を迫られたときの対処と相談先(厚生労働省・政府の要請)
結論(先に3行で)
- オワハラ(就活終われハラスメント)は、厚生労働省・労働局のリーフレットで「内定や内々定を行うことと引き換えに、学生の意思に反して他の企業などへの就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為」と説明されています。
- 政府の要請(2027年度卒業・修了予定者等)は、オワハラは職業選択の自由を侵害するおそれがあり許されないとし、保護者の同意を求める「オヤカク」もオワハラに該当し得ること、就活エージェント等による強要にも注意することを求めています。
- 言われたら、その場で返事をせず、内容を記録して、大学のキャリアセンターや新卒応援ハローワークに相談します。セクハラなどは都道府県労働局にも相談できます(令和8年10月1日から、求職者等に対するセクハラ対策は全事業主の義務)。
この記事でやること:言われた日時・相手・言葉をメモする → その場では「検討してお返事します」と答える → 大学のキャリアセンターか新卒応援ハローワークに相談 → 承諾するかどうかは自分で決める。
オワハラとは?どこで定義されている?
「オワハラ」は「就活終われハラスメント」の略として使われる言葉です。都道府県労働局・ハローワークが事業主と職業紹介事業者に向けて作ったリーフレット「学生の職業選択の自由を侵害する『オワハラ』は行わないでください!!」では、次のように説明されています。
リーフレットは、オワハラは憲法で保障された職業選択の自由を侵害する行為で、場合によっては刑法上の脅迫罪・強要罪や民法上の不法行為に当たる可能性があるとも書いています。また、若者雇用促進法第7条にもとづく指針(平成27年厚生労働省告示第406号)が関係するとしています。
どんなことがオワハラにあたる?
リーフレットでは、次のような行為が例として挙げられています。
- 自由応募型の選考で、内定と引き換えに大学や教員の推薦状を求める
- 自社の内定と引き換えに、他社への就職活動をやめるよう迫る
- 内定承諾書の早期提出や、保護者の同意を強要する
- 他社の就職活動ができないよう、研修等への参加を求める
- 内定辞退を申し出た学生を、何度も話し合いに呼んで引き留める
政府の2027年度卒業・修了予定者等への要請(内閣官房)の別紙でも、内定・内々定と引き換えに他社への就職活動を終えるよう強要する行為は、職業選択の自由を侵害するおそれがあるため許されないとされています。保護者の同意を求めるいわゆる「オヤカク」もオワハラに該当し得ること、就活エージェント等による他社の就職活動終了の強要にも注意することが書かれています。
内々定の段階で承諾書や誓約書を求められたら?
政府の要請とあわせて示された就職問題懇談会の要請は、企業に対して、内々定の段階での内定承諾書や誓約書の提出要求、長時間拘束する選考会や研修、他社への就職活動をやめるよう強要することなどを慎むよう求めています。また、大学等の申合せでは、9月30日以前の内々定は学生を拘束しないことを周知するとしています。
承諾書を求められても、すぐに出す必要はありません。「大学のキャリアセンターに相談してからお返事します」「ほかの選考の結果が出る○日まで待っていただけますか」と伝えてかまいません。すでに承諾書を出したあとで辞退を考えている場合は、内定承諾後の辞退を読んでください。
言われたとき、その場でどう返せばいい?
その場で決める必要はありません。返し方の例です。
| 言われたこと(例) | 返し方の例 |
|---|---|
| 「今ここで他社の選考を辞退すると約束してくれたら内定を出す」 | 「大切なことなので、その場ではお約束できません。○日までにお返事させてください」 |
| 「承諾書を明日までに出して」 | 「大学のキャリアセンターに相談してから提出したいので、期限を相談させてください」 |
| 「親の同意をもらってきて」 | 「就職先は自分で決めたいと考えています。家族には自分から伝えます」 |
| 「辞退するなら、会社に来て説明して」 | 「ご迷惑をおかけし申し訳ありません。お電話とメールでお伝えさせてください」 |
角を立てたくない気持ちは自然ですが、職業選択は学生自身が決めることです。脅すような言葉や、何度も呼び出されることがあれば、一人で抱えずに相談してください。
どこに相談すればいい?
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 大学のキャリアセンター・学生相談室 | オワハラかどうかの判断、企業への対応の仕方。大学から企業に伝えてもらえる場合もある(大学ごとに確認) |
| 新卒応援ハローワーク | 就職活動の相談全般。政府の要請は、企業にハローワークと連携して学生の苦情・相談に迅速に対応する体制を求めている |
| 都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))・総合労働相談コーナー | 就職活動やインターンシップ中のハラスメント(匿名での相談も可能と案内) |
| 警察(緊急のとき) | 脅迫など身の危険を感じるとき |
厚生労働省の案内では、令和8年10月1日から、カスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントの対策が、全ての事業主の義務になりました(令和7年の法改正。求職者等へのセクハラ対策は改正男女雇用機会均等法による)。事業主に義務づけられたのは、方針の明確化・相談体制の整備・発生後の対応などの措置です。厚生労働省の学生向けリーフレットは、採用面接・就職説明会・OB・OG訪問・インターンシップなどを「求職活動等」の例に挙げ、まず企業の相談窓口、学校のキャリアセンター、都道府県労働局、新卒応援ハローワーク等に相談するよう案内しています。
記録はどう残せばいい?
あとで相談するときのために、次のことをメモしておきます。
- 日時と場所(オンラインならツール名)
- 相手の名前・部署
- 言われたことを、できるだけそのままの言葉で
- 自分が答えたこと
- メールやチャットは削除せずに保存
就活エージェントに急かされたら?
エージェントは、紹介した学生が入社して初めて企業から手数料を受け取る仕組みです。そのため、返事を急がされると感じる場面があるかもしれません。政府の要請は、就活エージェント等による他社の就職活動終了の強要にも注意を促しています。急かされたら、返事の期限を企業に直接確認してもらう、別の担当者に代えてもらう、利用をやめる、という選択ができます。仕組みは就活エージェントはなぜ無料?にまとめています。
相談すると、企業に知られて不利にならない?
大学のキャリアセンターや新卒応援ハローワークに相談したことが、自動的に企業に伝わるわけではありません。相談した内容をどう扱うか(企業に連絡するかどうか、名前を出すかどうか)は、相談するときに窓口に確認し、自分の希望を伝えてください。都道府県労働局の相談は、匿名でもできると案内されています。
相談したことで選考が不利になるのではないかと心配になるかもしれませんが、職業選択の自由は学生に保障されたものです。困ったときに相談するのは、自分を守るための当然の行動です。
オワハラを受けた企業に入社してもいい?
入社するかどうかは、学生自身が決めることです。オワハラにあたる言動があったことは、その会社の採用担当者や職場の雰囲気を考える材料の一つになります。一方で、担当者個人の言動と会社全体の方針が違う場合もあります。
迷ったら、内定を受ける前に、労働条件を書面で確認し、配属先や働き方について質問してみてください。答え方や対応も、判断の材料になります。確認する項目は内定承諾の前に確認する労働条件にまとめています。
ほかの企業の選考がまだ残っているなら、結果が出るまで返事を待ってもらえるかを相談し、すべての結果を比べてから決めるのが、後悔の少ない選び方です。
よくある質問
- オワハラとは?
- 厚生労働省・労働局のリーフレットでは、内定や内々定と引き換えに、学生の意思に反して他の企業への就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為と説明されています。
- オワハラは違法?
- リーフレットは、職業選択の自由を侵害する行為で、場合によっては脅迫罪・強要罪や民法上の不法行為に当たる可能性があるとしています。個々のケースがどうなるかは事情によるため、相談先で確認してください。
- 内々定で承諾書を出したら、他社の選考は受けられない?
- 大学等の申合せでは、9月30日以前の内々定は学生を拘束しないことを周知するとしています。就職問題懇談会の要請も、内々定段階の承諾書・誓約書の要求を慎むよう企業に求めています。
- オワハラはどこに相談する?
- 大学のキャリアセンター、新卒応援ハローワークに相談できます。セクハラなどは都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))や総合労働相談コーナーでも相談でき、匿名でも可能と案内されています。
- 親の同意を求められるのはオワハラ?
- 政府の要請は、保護者の同意を求めるいわゆる「オヤカク」もオワハラに該当し得るとしています。
出典・確認したページ
- 都道府県労働局・ハローワーク「学生の職業選択の自由を侵害する『オワハラ』は行わないでください!!」(事業主・職業紹介事業者向けリーフレット):オワハラの定義(内定・内々定と引き換えに、学生の意思に反して他の企業への就職活動の終了を強要するハラスメント行為)、例(推薦状の要求、他社の就活をやめるよう迫る、内定承諾書の早期提出・保護者の同意の強要、研修等への参加要求、辞退を申し出た学生を何度も呼び出して引き留める)、職業選択の自由の侵害、場合により脅迫罪・強要罪・不法行為に当たる可能性、若者雇用促進法第7条の指針(2026-11-03確認)
- 内閣官房「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」別紙(要請事項):学事日程への配慮(土日・夕方以降・オンライン)、セクハラ・パワハラに類する行為の防止、内定・内々定と引き換えに他社への就職活動の終了を強要する行為(オワハラ)は許されない、保護者の同意を求める「オヤカク」もオワハラに該当し得る、就活エージェント等による強要への注意、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者が新卒枠に応募できるように。就職問題懇談会の要請(三省合意を踏まえたインターンシップ、オープン・カンパニー等で得た学生情報は採用活動に使わない、内々定段階の承諾書・誓約書の要求を慎む 等)、大学等の申合せ(9月30日以前の内々定は学生を拘束しないことを周知)(2026-11-03確認)
- 内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」:政府から経済団体等への要請(厚生労働省のページで発出日は令和8年3月24日)。日程ルール、専門活用型インターンシップの例外(2026-11-03確認)
- 厚生労働省「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」:要請の発出日 2026年3月24日(取りまとめ 2025年12月26日)、日程(3月1日・6月1日・10月1日)、専門活用型インターンシップの例外、オワハラ防止のリーフレット(2026-11-03確認)
- 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」(カスタマーハラスメント・求職者等に対するセクシュアルハラスメント):令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が全ての事業主の義務に(令和7年労働施策総合推進法等の一部改正)。指針は「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号)。就職活動やインターンシップ中のハラスメントの相談先は都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))・総合労働相談コーナー(匿名でも可・無料と記載)(2026-11-03確認)
- 厚生労働省 学生向けリーフレット「学生・生徒の皆さまへ 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」:改正男女雇用機会均等法で令和8年10月1日から施行。求職活動等の例:採用面接、就職説明会、OB・OG訪問、インターンシップ、教育実習・看護実習等の実習(オンライン・SNSを含む)。相談先:事業主の相談窓口、学校のキャリアセンター、都道府県労働局、新卒応援ハローワーク等(2026-11-03確認)
- e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(男女雇用機会均等法)第13条・第14条:第13条:事業主は、求職者その他これに類する者として厚生労働省令で定めるもの(求職者等)の求職活動等における性的な言動に起因する問題について、雇用管理上必要な措置を講じる(令和7年改正。令和8年10月1日施行)。第14条:国・事業主・労働者の責務(2026-11-03確認)
- e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」(若者雇用促進法):第7条(指針)、第13条・第14条(青少年雇用情報の提供)、第15条(常時雇用する労働者300人以下の事業主の認定=ユースエール)(2026-11-03確認)
- 厚生労働省「新卒応援ハローワークのメニュー」:対象は大学等を卒業予定の学生・生徒、卒業後おおむね3年以内の方、各都道府県に1か所以上・全国56か所。担当者を決めた個別支援(就職支援ナビゲーター)、臨床心理士等への相談、応募書類(ES・履歴書)の作成支援、面接対策、セミナー、全国の求人情報の検索・閲覧、企業説明会・面接会、就職後の定着支援(2026-11-03確認)
この記事は 2026-11-03 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。