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内定承諾の前に確認する労働条件は?労働基準法15条と2024年4月から増えた明示事項のチェック表

更新日 2026-11-01|運営 AI Mediaz(屋号)|PR 記事内に広告を含みます

結論(先に3行で)

  1. 内定を承諾する前に、労働条件通知書などの書面で条件を確認します。労働基準法第15条は、使用者に労働条件の明示を義務づけ、明示された条件が事実と違う場合は労働者がすぐに契約を解除できると定めています。
  2. 2024年4月から、全ての労働者について、就業場所と業務の「変更の範囲」の明示が必要になりました。有期契約では、更新の上限なども明示されます。
  3. 固定残業代(時間数・金額)、試用期間中の条件、賞与・昇給の実績も、面接や書面で確認してから決めます。急がされても、確認の時間をもらってかまいません。
書面で確認:2024年4月から「変更の範囲」も
図解:書面で確認:2024年4月から「変更の範囲」も(出典:労働基準法第15条、厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)

内定承諾の前に、なぜ書面で確認する?

既卒・第二新卒・フリーターから初めて正社員になるとき、「内定が出た」というだけで安心して、条件をよく見ないまま承諾してしまうことがあります。短期間で辞めることになった理由に「聞いていた条件と違った」があると、次の職場選びでも同じことが起きかねません。

労働基準法第15条第1項は、使用者は労働契約を結ぶときに、賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。とくに重要な項目は、書面などで明示することが必要です。そして同条第2項は、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。

つまり、書面で受け取った条件は、あとで「違う」と言えるための大切な証拠になります。

2024年4月から何が変わった?

厚生労働省の案内によると、2024年4月から労働条件の明示のルールが変わりました。

対象追加された明示事項
全ての労働者就業場所・業務の「変更の範囲」
有期契約の労働者更新の上限(通算の契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
有期契約の労働者(無期転換を申し込めるとき)無期転換を申し込めること、無期転換後の労働条件

「変更の範囲」とは、将来、配置転換や転勤で、どこまでの場所・どこまでの業務に変わる可能性があるかです。たとえば「就業場所:本社(変更の範囲:会社の定める営業所)」のように書かれます。転勤ができない事情がある人は、とくに確認しましょう。

チェック表:何を確認すればいい?

確認する項目見るポイント
契約期間期間の定めがない(無期)か。有期なら期間・更新の有無・更新の上限
試用期間長さ、期間中の賃金・雇用形態が本採用と違うか
就業場所最初の勤務地と「変更の範囲」(転勤の可能性)
業務の内容最初の仕事と「変更の範囲」。求人票の職種と合っているか
始業・終業の時刻シフト制か、交替勤務・夜勤があるか
所定外労働(残業)あるか、月の平均はどれくらいか
休憩・休日・休暇週休の形(完全週休2日か)、年間休日、有給休暇
賃金基本給、手当、固定残業代(時間数と金額)、締め日・支払日
賞与・昇給有無と前年度の実績
退職退職の手続き、解雇の事由
社会保険健康保険・厚生年金・雇用保険の加入

固定残業代はどう確認する?

固定残業代(みなし残業代)は、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含める仕組みです。厚生労働省の「若者の募集・採用等に関する指針」は、固定残業代を採用する場合、固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法を明示することを企業に求めています。

確認するのは次の3つです。

「月給25万円」と書かれていても、そのうち5万円が固定残業代なら、基本給は20万円です。賞与や退職金が基本給をもとに計算される会社では、この違いが大きくなります。

内定は承諾したら取り消せない?

判例では、採用内定によって、始期付・解約権留保付の労働契約が成立すると考えられています(大日本印刷事件 最高裁第二小法廷 昭和54年7月20日判決。厚生労働省「確かめよう労働条件」で紹介)。個々の事情で判断されますが、内定は「ただの約束」ではなく、労働契約に近い重みを持つと考えておきましょう。

一方で、労働者の側から辞退することはできます。民法第627条は、期間の定めのない雇用では、解約の申入れから2週間で契約が終わると定めています。内定を辞退する場合は、迷惑を最小限にするため、決めた時点でできるだけ早く、電話と書面(メール)で伝えましょう。複数の内定を同時に承諾して、あとで辞退することは避けてください。

確認したいことを、どう聞けばいい?

条件を質問すると印象が悪くなるのでは、と心配する人もいますが、入社前に条件を確認するのは当たり前のことです。聞き方の例です。

就職エージェント経由の場合は、担当者を通じて確認してもらえます。返事を急がされても、書面を確認する時間はもらってかまいません。

入社後に「聞いていた条件と違う」と思ったら?

まずは労働条件通知書と、実際の働き方を比べて、違う点をメモします。そのうえで、社内の人事に確認します。解決しないときは、都道府県労働局や労働基準監督署の相談窓口に相談できます。新卒応援ハローワークでは、就職後の長時間労働や賃金不払残業などの相談も受け付けていると案内されています。

条件を確かめるのは、疑うためではなく、長く働くための準備です。

労働条件通知書は、どんな形でもらう?

労働条件の明示は、書面の交付が基本です。労働者が希望した場合は、FAXや電子メールなどで受け取ることもできます(印刷できる形に限られます)。メールで受け取った場合も、印刷するかPDFで保存して、入社後も見返せるようにしておきましょう。

内定の連絡が電話だけで、書面が届かない場合は、「労働条件通知書をいただけますか」と依頼してかまいません。

試用期間について確認することは?

試用期間は、多くの会社で設けられています。確認したいのは次の点です。

「正社員募集」の求人でも、試用期間中は契約社員として雇い、その後に正社員にする形をとる会社もあります。求人票と労働条件通知書で、雇用形態がどう書かれているかを確認しましょう。

有期契約(契約社員)で入る場合は?

最初は有期契約で、のちに正社員を目指す働き方もあります。その場合は、2024年4月から明示が必要になった「更新の上限」の有無と内容、正社員への登用の制度と実績を確認してください。同じ会社で有期契約が通算5年を超えると、労働者の申込みで無期契約に転換できるルール(無期転換)もあり、無期転換を申し込めるときにはその旨の明示が必要になりました。

内定が出たら、次の一歩は?

内定の連絡を受けたら、まずお礼を伝え、労働条件通知書を書面でもらえるか、返事の期限はいつかを確認しましょう。書面が届いたら、この記事のチェック表で1行ずつ確認し、分からない点をメモして質問します。納得できたら承諾、納得できなければ、条件の説明を求めるか、辞退を考えます。入社前に確認したことは、入社後に困ったときの大切な手がかりにもなります。

書面の内容で分からない言葉があれば、そのままにせず、企業の担当者や、使っている窓口の担当者に聞きましょう。

よくある質問

内定承諾の前に何を確認すればいい?
労働条件通知書などの書面で、契約期間、試用期間、就業場所・業務とそれぞれの変更の範囲、労働時間・残業・休日、賃金(基本給と固定残業代)、賞与・昇給、社会保険を確認します。
2024年4月から何が変わった?
全ての労働者に、就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要になりました。有期契約では、更新の上限や無期転換に関することも明示されます。
書面の条件と実際が違ったら?
労働基準法第15条第2項で、明示された労働条件が事実と違う場合は、即時に労働契約を解除できます。まず社内で確認し、解決しなければ労働局や労働基準監督署に相談できます。
内定を承諾したあとに辞退できる?
できます。期間の定めのない雇用は、民法第627条で解約の申入れから2週間で終わります。決めたらできるだけ早く、電話と書面で伝えましょう。

出典・確認したページ

この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。